大山詣り(神奈川)

先日、神奈川県伊勢原市の大山に登ってきました。

街歩き・神社仏閣参拝仲間(笑)のパーカション奏者の友人から、数日前に「大山(神奈川)に行きたい」とたった一言だけ連絡が来て、「じゃあこの日に」「OK」と、とんとん拍子に決まった小旅行。川崎市内の自宅から小田急線で伊勢原まで行き、そこからバスで大山ケーブル駅まで。1時間少々で到着です。

標高1,252mの大山。ケーブルカーで6分、海抜678mの阿夫利神社駅に到着。まずはこの駅から階段を登ったところにある、阿夫利神社下社にお参りです。

下社にお詣りをしたら、上社のある山頂を目指して登山道へ。入山の際には、登山道の入り口にある箱に箱に百円を入れ、祓麻で自分でお祓いをして、登山の無事を祈願します。阿夫利神社の道中安全御守も置いてあり、ひとついただいて登山開始。

山頂付近から縄文土器や古墳時代の須恵器などが出土されているほど、古くから信仰の対象であった大山。登山道の途中には、御神木や面白い形の岩なども点在していました。

そうこうしながら、案内では所要時間約90分となっていた登山道を1時間50分ほどかけて、山頂に到着。あいにくの雲の多い天気だったのでしたが、大自然のパワーは素晴らしかったです。

下山は、上りとは違う、山の東側、見晴台を通るルートで。上りよりも距離はあるもののなだらかなルートでした。途中、登山道から少し脇に若干開けた場所があり、昼過ぎの西日に、まるでスポットライトのごとく照らされる巨木が。後から調べると、大山祓神を祀る御神木と、他の木が結びついていることから、絆の木、と呼ばれているそうです。その神々しさに心を揺さぶられながら、地面に置かれたお賽銭に自分も…と思いったら、ちょうど良い小銭が無かったので、代わりに地面に落ちていた飴の包み紙のゴミ拾いで崇拝の念を示したつもり。笑

見どころとは違いますが、下山も終盤、阿夫利神社下社が近づいてきたところにある砂防ダムも、異様な存在感と威圧感を醸し出していました。

そして阿夫利神社下社に戻ってきて、一息ついて、下社で登山の無事のお礼をしました。おみくじを引いたら、私も一緒に行った友人も、なんと同じ番号・同じ運勢。男同士で同じ運勢って…などと悪態(失礼!)をつきつつ、次の目的地、大山寺へ向けてケーブルカーで下ります。

大山寺駅では上りと下りのケーブルカーのすれ違いも。その駅からの参道を少し歩いて、お寺の正面の階段へ。階段の両脇からは、お寺の御本尊の不動明王の眷属の三十六童子が、参拝者を出迎えてくださります。

この雨降山大山寺、明治初期の廃仏毀釈によって、現在の阿夫利神社下社の位置にあった不動堂が破却されたものの、信者によって守られた仏像や寺宝と、そして不動明王のご利益を受けてきた多くの人々の信仰によって、程なくして現在の場所に再建されたのだそう。755年の開山以来、神仏習合の時代から阿夫利神社と共に、大山の信仰を支え守ってきたお寺です。

通常、8のつく日にちに、御本尊の不動明王(重要文化財)のご開帳をしているそうですが、コロナ禍の疫病退散と特定の日に人が集まるのを防ぐために、毎日ご開帳を続けているそうです。本堂奥に鎮座する黒鐵不動明王のお姿は迫力がありつつも、怒った顔をしているはずの不動明王の目元に柔らかさを感じたのは私だけ?
さらに、決して広くはない(しかし他の参拝客もいなかった)内陣は、順路の矢印にそって歩くと、仏像に普通に触れられる距離(触ってはいけません)。もしバリトンサックスなど背負って歩いたら大変なことになりそうな、仏様との密な空間での時間は、何とも言えない厳かで貴重な経験でした。

大山寺では、つい最近いただき始めた御朱印も、初めて直書きでいただいて、感動。

そんなこんなで、友人のたった一言「大山(神奈川)行きたい」から始まった大山詣り。絶賛筋肉痛ですが、大自然のパワーを全身に受けた1日でした。

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